第4問対策
第4問は理論問題中心に出題されます。分野毎に問題が3~4問出題され、その各々で3行~6行の記述を2~3問求められます。計算処理の説明や論拠を答えさせる問題が多いですが、設定された具体的取引例の数値を使用した説明が求められることもあります。
計算処理の説明は会計基準やその適用指針を基礎にして答案を作成することができます。短答式試験対策として、計算処理を会計基準の表現と照らし合わせる勉強方法を採用してきた場合には、「正誤の判別ができる」から「正確に記述できる」に記憶の精度を高めていくことになります。会計基準の本文までなら、本試験会場で配布される「法令基準集」に収録されていますが、本試験中に検索する時間的余裕はまずありません。「どうしても思い出せない、けど書きたいあの用語!」なんていう時に「法令基準集」は利用することになると思います。
計算処理の論拠は、多くのケースで会計基準や適用指針の結論の背景を基礎にして答案を作成することができます。ただし、会計基準等の本文とは異なり、結論の背景では「Aの処理を採用したのは~だからである」というように簡潔に説明されていないことも多く、「Aの処理とBの処理が考えられる。Aは~という考え方に基づき、Bは~という考え方に基づき~。Bでは~という問題があるが、Aでは~。」というように、特定の計算処理が採用された経緯が長文で説明されています。確かに結論の背景を読めば計算処理への理解は深まるのですが、自ら簡潔な文章に編集し直すのは時間がかかりますし、量的にも効率が悪すぎるので、簡潔に編集済みの解答例を覚えていく方が有効です。財務会計論の理論問題は、割とストレートに計算処理の説明や論拠を問うことがほとんどで、覚えた解答例が答案としてそのまま使えることが多いようです。各人の暗記許容量にもよりますが、できるだけ多くの解答例を提供してくれる教材を入手して勉強するのが得策です。