監査論の論文対策

純粋な理論問題対策

純粋な理論問題には、「Aの意義の説明」や「AとBの関係の説明」というような、予め答案を用意しておける説明問題もあれば、問の切り口にあわせてその場で答案構成をしなければならないひねりのある問題もあります。単純な説明問題は、「法令基準集」に収録されている監基報(付録以外)各号の早い項数に定義が記載されていますから、これを参考にすることもできます。ただし、監基報の定義を転記すれば良いだけの問題はまず無いでしょうから、むしろ検索の手間を節約するためにも、主要な論点は予め答案を用意して覚えておく方が得策です。用意した答案のストックが増えるにつれて、手持ちの答案をアレンジしてひねりのある問題の答案に利用しやすくもなると思います。もちろん、各専門学校が主要論点の答案の用意をしてくれているはずなので、それを利用しましょう。

ここで、予め用意した答案を覚える際のコツとして「丸暗記はしない」ことをお薦めします。監査論の問題は大問の中にストーリーがあって、その流れに沿って問題が作られています。そのため、財務会計論と異なり、用意した答案がそのまま使える問題よりも、アレンジを利かせる必要がある問題の方が多い気がします。また、先ほど抜粋した「独立性と職業的懐疑心との関係」というような単純な説明問題でも、「独立性」「精神的独立性」「外観的独立性」「正当な注意」「職業的懐疑心」「守秘義務」等の関連する概念の全ての組合せについて関係性の説明を用意して覚えておくのはあまりに不効率です。用意した答案に含まれる大切な専門用語や答案の中の話の繋がりを覚えて、問題に合わせて柔軟に組み替えられるように準備しておく方が効率的、だから丸暗記はお薦めしないのです。