その他の出題基礎
「監査基準」や「監基報」以外にも、「不正リスク対応基準」や「内部統制基準」といった公表されている「監査の基準」や、会社法の監査役や会計監査人の規定、金融商品取引法の開示制度なども監査論の出題範囲になります。
「不正リスク対応基準」や「内部統制基準」等の他の「監査の基準」への対応は、基本的には「監基報」と異なりません。過去問の頻出論点を中心に勉強するべきです。「不正リスク対応基準」や「品質管理基準」くらいまでのボリュームであれば、原文に目を通しておくのもありかと思いますが、「内部統制基準」のボリュームになってくると、消化しきれないのではないでしょうか。過去問分析をした上で、重点を絞ってまとめてある教材をうまく利用しましょう。
会社法や金融商品取引法は、企業法の出題範囲でもあります。監査論と企業法の両方の試験科目で役立てられることを意識して勉強すると効率的です。例えば、金融商品取引法の開示制度は両科目で学習しますが、企業法では各提出書類の監査証明の有無は確認しても、監査概要書の必要性までは関知しないけれど、監査論では監査概要書の必要性は頻出である、というように重点の置き所が異なります。ならば、企業法で開示制度の勉強をするときに、監査論では必要になる監査概要書の必要性もついでに確認していこう、と工夫すると知識に広がりが出て有効です。
過去問分析を踏まえた教材を利用する、企業法との重複分は効率的に勉強する、といった点を意識すれば、案外攻略しやすい試験科目といえるでしょう。