「監査基準」
「監査基準」は結構な頻度で改訂されているので、改訂点に注意してインプットしていく必要があります。択一形式ですから丸暗記までする必要はありませんが、本試験が準拠する「監査基準」の全文について正誤が判定できるように準備しておきましょう。公表されている「監査基準の改訂に関する意見書」には、改訂の背景や理由について説明されており、論文式試験まで見据えると是非とも読み込んでおくべきですが、短答式試験対策としては改訂の内容そのものを確認しておけば十分です。時に、「XX年にこういう内容の改訂がありました。」という記述の正誤の判定が求められますが、大抵、改訂内容自体で判断できるので、そこまで神経質に改訂年次まで覚えておく必要はなさそうです。
「監査基準委員会報告書」
「監基報」と略される「監査基準委員会報告書」は、最も多くの問題の出題基礎となる実務指針です。本来は公認会計士として実務に従事している者向けに公表されている指針なので、受験生が原文を読んでも理解しがたいでしょうし、量も膨大ですから、原文を読み込もうとするのはお薦めしません。出題頻度の高い分野・論点に絞って効率的に学習しましょう。やはり、過去問分析をしっかりと行って、既出の項目とその周辺の項目を重点的に紹介している教材を利用するのが得策です。過去問自体に取り組むのも有効ですが、「監査基準」の改訂に合わせるなどして「監基報」も改訂されているので、改訂されていないかどうかに注意する必要があります。どうしても「監基報」の原文で勉強したいならば、やはり過去問で出題対象になった項目やその周辺からみていくのがよいでしょう。ちなみに「監基報」は分野毎に各号が公表されていて、各規定(要求事項)の項には通し番号が、その適用指針にはA付の通し番号が付されています。本試験の解説には「監基報520号3項」「監基報520号A1項」というように出題基礎となった「監基報」が明らかとされていることが多く、これを参考にすることができます。以下は、「監基報520号分析的手続」の抜粋です。
3.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。
「分析的手続」-財務データ相互間又は財務データと非財務データとの間に存在すると推定される関係を分析・検討することによって、財務情報を評価することをいう。分析的手続には、他の関連情報と矛盾する、又は監査人の推定値と大きく乖離する変動や関係の必要な調査も含まれる。(A1項からA3項参照)
A3.多様な手法が分析的手続を実施するために利用される。これらの手法は、単純な比較の実施から高度な統計的手法を用いた複雑な分析の実施まで多岐にわたる。分析的手続は、連結財務諸表、構成単位及び情報の個々の構成要素に適用される。