専門学校の比較

資格の大原

最大手の会計系資格の専門学校です。通学コースも通信コースも有り、校舎も多く設備も充実していますし、常勤講師も多数所属しています。となれば当然、価格もそれなりになってきます。講義数も答練数も多く、担任制をとっているコースも有り、公認会計士受験に専念できる方向きの専門学校です。このあたりは、他の大手専門学校も同様でしょう。以下では、大手の中でも「資格の大原」のここが推せるポイントについて紹介していきます。

資格の大原は大手の強みを生かして、教材が非常に充実しています。テキストや問題集、特に答練の品質が高く、「答練だけ申し込むとしたらどこの?」と聞かれたら「大原の」と答えます。その反面、教材の量が膨大なので、短期コースで全ての教材を消化しきるためには受験生自身の処理能力が高くないと難しい。そういう意味でも、受験に専念できる環境のある方向きの専門学校です。また、「Aの処理をレクチャー」→「Aの例題」、「Bの処理をレクチャー」→「Bの例題」、「A+Bの処理をレクチャー」→「A+Bの例題」・・・というように、懇切丁寧な教材になっているので、初学者にも手取り足取り指導してくれる感があると思います。一方、この丁寧さが、会計の知識がある程度身についている方や「A、B、C・・・の処理は~です」「突き詰めたらこういうことです」と一気にまとめて説明して欲しい方には多少もどかしさを感じさせるかもしれません。

特に答練の品質が高い、とご紹介しましたが、計算科目には別申込みで短答式試験対策用の答練が用意されています。ちょうど短答式本試験くらいの処理量で、出題分野も網羅的、解説も充実していてお薦めです。コースに組み込まれている答練は、基礎期・応用期・直前期に分かれていて、直前期は試験委員色の強い保険的な問題や癖のある問題が増えてくるので、特に基礎期・応用期までがお薦めです。

 

東京CPA学院

日商簿記講座や税理士講座も設定されていますが、圧倒的に公認会計士試験に力を入れており、近年急成長している専門学校です。講師全員が公認会計士試験合格者であることをセールスポイントにしています。web受講に力を入れているようで、youtubeやHPでサンプル講義を配信したり、いち早く本試験の解説動画をUPする等しています。受講料もweb通信コースは通学コースより20%程度安く、視聴期間の1年間無料延長サービスもあります。

カリキュラムの特徴として、初学者向けと受験経験者向けを明確に分けている点が指摘できます。最難関の公認会計士試験ですから、受験回数が2回、3回となることは珍しくありません。一通り学習済みの受験経験者に1回目と同じ講義をもう一度、というのは不効率すぎるでしょうとの考えで、受験経験者向けの「圧縮講義」と苦手科目対策として初学者向けの「レギュラー講義」を自由に組み合わせられるようなコースが組まれています。

教材にも効率性重視の姿勢が現れていて、短答式試験と論文式試験の別に重要性のランク付け(A~C)が付されています。HPでも「テキストのAとBで本試験問題の80%をカバーします」と謳っており、重要性に応じた効率的な学習ができるようになっています。テキストの内容自体もよくまとめられており、手取り足取りというよりも余計な説明をそぎ落とした内容になっています。とはいえ、短答対策と論文対策が一体となったテキストは結構なボリュームになっており、しっかりと充実した内容です。よくまとめられている分、内容は若干高度で、これは常駐の合格者講師への質問という形で対応していく姿勢なのだと思います。

資格試験のFIN

大手専門学校の人気講師が独立して設立した専門学校で、通信制だけの学校です。フルカラーのテキストをセールスポイントにしており、短答式試験対策と論文式試験対策に明確に区分された教材は、合格するために必要なだけ勉強しましょう、という効率性重視の内容になっています。また、通学講義の録画ではない、講師の解説に合わせてテキストに書き込みがなされていくユニークな動画講義が特徴的です。公開している日商2級と3級の無料講義(HPから視聴できます)もこのスタイルになっています。通常、web通信の講義は一定期間を経過すると視聴できなくなりますが、FINではメディアに収録した講義動画として受け取れるため、繰り返し何度も視聴できます。

教材がコンパクトであることに加えて、理論科目では短答式試験のスマホ版過去問集や、論文対策用の理論問題Q&Aのメルマガの配信があるなど、効率的に勉強するための教材が工夫されています。コースの開始時期が限定されていないため、いつからでも勉強を始められる点や、分割申込制度がありマイペースに勉強を進められる点からも、社会人のように忙しい中で時間をやりくりして受験勉強する方向けの専門学校といえます。